公園やキャンプなど夏場アウトドアに出かける際は、虫除けスプレーを使うことが一般的です。

しかし、中には「生後6か月未満は使用しないでください」「6か月~2歳未満は1日1回まで」という注記がある虫除けスプレーもあり、何か有害な成分が入っているのではないかと気になってしまうことも・・

虫除けスプレーの成分で特に良く使用されているのがディート(DEET)という成分です。日本で市販されている虫除けスプレーのほとんどに、このディートが含まれています。

今回は、ディートの役割とその安全性について紹介します。

ディート(DEET)はどんな成分?

そもそもディート(DEET)とはどんな成分なのでしょう?

ディートとは、蚊やダニなどの虫の忌避剤として使用される薬品で、ジエチルトルアミドとも呼ばれます。ディートは第二次世界大戦直後に、蚊を媒介して広がるマラリア感染から兵士を守るためにアメリカ軍が開発したものです。

ディートは安価に製造でき、虫除け効果が高い優秀な成分で、一般家庭用の虫除けスプレーの多くに活用されるようになり世界中の虫除けスプレーに配合されてきました。

また、ディートが広く普及してきたのには、もう一点理由があり、それは人に対する毒性が低いとされてきた点です。国内ではディートを原因とする薬事的な副作用による事故は、現在の所確認されていません。

ディートは殺虫剤でなく、蚊やダニの触覚を麻痺させて吸血レベルを低下させる忌避剤です。そのため人間に深刻な害を及ぼすことは少ないとされてきました。しかし近年、有害性について指摘する声も挙がっており、カナダなど一部の国では小さな子どもへの使用を制限しています。

国民生活センターによると、

ディートは一般的には毒性が低いとされているが、まれに体への影響がある

引用:虫よけ剤-子供への使用について- (国民生活センター)

とされていますので、使用時には製品に書かれた使用上の注意をしっかり守ることが大切です。

ディートは衣服を傷めることがある

あまり知られていませんが、ディートはプラスチック・合成繊維などを傷める性質があります。

なお、主成分のディートには、塗装面、プラスチックや合成繊維(アセテート、ウレタン等)を傷めるという性質があります。ストッキングの上からスプレーしたら穴が開いたという事例もありますので、必ず、直接皮膚につけて使いましょう。また、スプレーする際には、プラスチック製品、塗装面、時計、アクセサリー、車のボディーに液がかからないように注意しましょう。

引用:よくあるご質問 – スキンガード (ジョンソン株式会社)

この他にも時計のバンドや、ゴルフ用の手袋など夏に使用するさまざまなものが影響を受けるので、使用時には注意しましょう。

ディートの濃度が上がるとどうなるの?

一般にディートは、濃度が上がるほど虫除け効果が長時間持続します。ディートの濃度が上がると虫除け効果が高くなるわけではありませんので、この点は覚えておくといいですね。

日本で売られているものはディート濃度30%までのものですが、国によっては濃度80%もある虫除けスプレーが売られています。

濃度が高ければ高いほど人体への影響が危惧されます。そのため、海外に行く時は日本から虫除けスプレーを持参するのが無難ですね。

ディートの安全性は?

ディートは比較的安全性の高い成分とされていて、販売を全面的に禁止するなどの対策をとっている国はありません。そのため、ディートを過剰に避ける必要はありません。

しかし、動物実験において、連続的に大量摂取した場合に神経性毒が見られたという報告もありますので、高濃度のディートを長期間使用することは避けるべきと考えられます。

ディートの大量かつ長期摂取により、皮膚炎や神経障害などの副作用が出る恐れがあると言われています。日本でも虫除けスプレーの使用により、湿疹やヒリヒリ感などの皮膚疾患の報告事例はあります。しかし、これがディートの影響なのか、アルコールなど他の成分にかぶれてしまったのかは不明です。

ディート製品の使い方

ディートを忌避成分として含んでいる虫除けスプレーは、一般的には肌に直接スプレーして使用します。

上記で説明した通り、ディートを含んだ虫除けスプレーを衣服にスプレーする場合は繊維を傷めてしまうことがあるので注意が必要です。

また、ディートは小さなお子さんへの使用回数制限があるので、この点については注意しておきましょう。

子供への使用回数制限について

ディートを含有する忌避剤は、子供への使用回数制限がありますので、使用時には注意しましょう。

小児(12歳未満)に使用させる場合には、保護者等の指導監督の下で、以下の回数を目安に使用すること。なお、顔には使用しないこと。

  •  6か月未満の乳児には使用しないこと。
  •  6か月以上2歳未満は、1日1回
  •  2歳以上12歳未満は、1日1~3回

引用:ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について (厚生労働省)

子供へのディート入り虫除けスプレーの使い方

6ヶ月以上のお子さんにディート入りの虫除けスプレーを使用する場合は、直接肌にスプレーするのではなく、最初にあなたの手のひらにスプレーして、それを子供にぬるようにしましょう。

また、顔に製品を使いたい場合は目元と口元を避けて、顔や耳のまわりにぬるだけで十分です。ディートを口に入れてしまわないように、子供の手のひらに製品を使わない事も大切です。

虫除けスプレーの使い分け

ディートを怖がって虫除けスプレーを使わなかったせいで、デング熱・ジカ熱などの病気に感染したり、虫刺されを掻きむしってとびひなどになってしまったりしては本末転倒です。

ディートの副作用が気になる場合は、通常はアロマタイプの虫除けスプレー、アウトドアや海外旅行時は虫除け効果の高いディート入りの虫除けなど用途に合わせて上手に虫除けスプレーを使い分けることが大切です。

また、虫除けの有効成分にイカリジンを使用したタイプのスプレーも発売されているので、ディートを避けたい方はイカリジンタイプのスプレーもおすすめです。

手作り虫除けスプレー

虫除けに効果のあるアロマオイルは多数ありますので、自分で手作りスプレーを作ることもできます。

レモンユーカリオイルや、ハッカ油、ゼラニウム、レモングラス、ローズマリー、ラベンダー、ユーカリ、クローブ、シトロネラ、ジュニパーベリー、タイム、ティートリー、ペパーミントなど豊富な種類のアロマの中から自分の好みの香りを選んでオリジナルスプレーを作れば、虫除けをしながらリラックス効果も期待できます。

作り方も簡単で、アロマオイルと水、エタノールをスプレー容器に入れ、シャカシャカと振って混ぜるだけです。家にいる際にはリビングなどの空間や網戸などにスプレーしておき、蚊などの虫が室内に入ってこないようにすると良いでしょう。部屋がアロマオイルの香りに包まれてさわやかな気分になります。

手作り虫除けスプレーの注意点

手作りスプレーの場合は、効果がマイルドで、2時間もすれば効果が薄れてしまいます。

小さい子どもやペットにかかっても問題ない成分ですので、気が付いたときにシュッと一吹きし、アウトドア時には、こまめにスプレーし直すことが肝心です。

また、手作りスプレーは防腐剤などを使用していないため長期保管ができません。2週間ぐらいを目安に使い切るようにしましょう。肌に有害なものは含まれていませんが、エタノールの刺激が気になる方、小さい子どもや敏感肌の人、妊娠中の人などは、虫除けスプレーを直接肌に付けるのではなく、衣服などに吹きかけて使うという方法もあります。

アロマオイルによって小さな子どもや妊娠中の人、特定の疾患のある人には好ましくない効果をもたらすものもありますので注意しましょう。

ディート(DEET)の注意点を意識して効果的な蚊対策を

ここまでディートについて詳しく見てきましたが、ディートは上記に挙げた注意点をしっかり意識していれば安全に使用することができます。

また、最近は私たちの選択の幅を広げるために、天然成分を主原料としたアロマタイプのボディースプレーや、虫除けの新有効成分イカリジンタイプの虫除けスプレーなど、ディートを含まないタイプの虫除けスプレーもあります。

当サイトのおすすめ虫除けスプレーはこちらの記事で紹介しています。

おすすめ虫除けスプレーを一挙に紹介!

ディート・アロマ・イカリジンタイプの虫除けスプレーの特徴をよく理解し、自分に合った虫除けスプレーを選択して蚊対策をしましょう。