蚊の一生はとても短いものです。

成虫になった蚊は、理想的な環境の中でオスの蚊は1週間、メスの蚊は2-3ヶ月生存すると言われています。

蚊はこの短い一生の中で、交尾をし、血を吸い、卵を産みます。

このページでは、古来より繰り返されている蚊のライフサイクルについてみていくことにしましょう。

蚊は4段階の変化をする

蚊は一生の中で、卵→ボウフラ→蛹→成虫と4段階の変化をします。ボウフラは有名ですが、蚊にも蛹の状態があることは知らない方も多いのではないでしょうか?

ここからは蚊の4段階の変化について詳しく見ていくことにしましょう。

蚊の卵

メスの蚊は水辺に卵を産みつけます。

蚊の卵は幼虫に成長するために水を必要とします。ただし、ごく少量の水で成長することができるため、池などは必要としません。放置された古タイヤや植木鉢の端など、水の溜まりそうな場所ならメスの蚊はどこでも卵を産みつけます。

また、ヤブ蚊など特定の種類の蚊は、水面のの少し高い所に卵を産みつけます。雨の多い時期は水面が上昇して卵が水につかります。これによって卵が孵化しますが、秋になって雨が少なくなるとそのまま乾燥して次の夏を待ちます。

卵が孵化すると、蚊の幼虫が登場します。

幼虫(ボウフラ)

幼虫(ボウフラ)の状態は、蚊にとって赤ちゃんの時期と言えます。

蚊の幼虫は、他の微生物や、細菌、水中の藻類を食べる水生生物です。ボウフラの中にはトラフカクイカのように、他のボウフラを食べてしまう種類もいます。この幼虫状態では、血を吸う事も飛ぶことも出来ず、魚や鳥などの捕食者に対して、とても脆弱です。

蚊の幼虫は、成長するために外部の熱を必要とします。より暖かいと、蚊の成長速度は速くなります。

ほとんどの蚊は約一週間ほどで成長し、次の成長段階に進むために脱皮を行います。この脱皮が完了すると、蛹の状態になります。

蛹(さなぎ)

蛹の状態は、蚊にとっての10代の段階と考えられます。

蚊の蛹は、ボウフラと違い水中を泳ぎ酸素を取り込むこと以外は何もしません。じっと成虫になるために体が出来上がるのを待っています。

蛹は困ったことがあると安全性の高い水中に潜り、最終的には水面に浮遊してきます。この状態は、ボウフラの時よりも脆弱で、水面に油で膜を張ると蛹の状態の蚊は簡単に死んでしまいます。マラリアを撲滅するためにこの方法がとられたこともありますが、とても効果的でした。

蛹は水温に応じて数日をかけて成虫に成長します。最終的には空気圧を利用して殻を破り、成虫の状態となります。

蛹から蚊の成虫へと変態する神秘的な映像がありますので紹介しておきます。

そして、羽が乾くと彼らは空へと飛び立ちます。

蚊の成虫

大人の蚊は2つの大きな複合眼、胸郭、立派な鱗状の羽と、長い6本の脚と触覚を備えた頭部を持ちます。

成虫となった蚊は、オス・メス共に果たすべき使命の為に飛び回ります。

オスの蚊の使命は交尾をしてメスの蚊に卵を作ってもらうことです。生殖器が発達するのに約1日かかり、それからメスの蚊を探し求めます。オスの蚊は成虫になってからおよそ1週間で死んでしまいます。

メスの蚊の使命は卵に栄養を与えるため、好みの生物から吸血することです。メスの蚊は1度の交尾で何度も卵を産むことができるため、一度卵を産んだ後も新たな産卵のための交尾の必要はありません。

メスの蚊が血を吸い卵を産む

蚊は植物や果物の蜜や果汁を吸って生きていますが、交尾の終えたメスの蚊は卵を産むために必要なエネルギーを得るために血を探し求めます。

人の肌に上手く着地できたメスの蚊は、小顎でザクザクと皮膚を切り裂き、血管を探し当てるとストロー状の刺針部を刺し込み吸血します。この時に血が固まってしまわないように、凝固抑制作用を持つ唾液を出しますがこれが蚊に刺された時のかゆみの原因です。

人やその他の動物からたっぷりと血を吸ったメスの蚊は、水辺に卵を産みます。メスの蚊は一生のうち数回の産卵を行います。

この卵が孵ると、数億年の間続いている蚊のライフサイクルが新たに始まります。

蚊のライフサイクルまとめ

ここまで蚊のライフサイクルについて詳しくみてきましたがいかがでしたか?

こうして細かく蚊の一生をみていくと、なんだか蚊に対して感情移入してしまいパチンと蚊を叩きにくくなってしまいます。というのも、蚊が人類の恐るべき敵と言われているのも、根本的な原因はウイルスや原虫にあり、蚊はただの運び屋にしかすぎないのです。

本気で蚊を絶滅させようという一部の動きもあるようですが、人間だけの都合でそこまでの行為をおこなってよいのか悩ましい所ですね・・

蚊を媒介とする感染症を抑えるために、遺伝子を組み替えた蚊の研究などが盛んに行われていますが、近い将来メスの蚊が血を吸わなくても産卵できるという時代がくるかもしれませんね。