気温が上昇するにつれて危険性が高くなってくるのが蚊に刺されることによって引き起こされる感染症です。

外国で起こる病気というイメージを持つ人が多いかもしれませんが、近年日本でも感染者が報告されるようになっており、厚生労働省からは注意が呼びかけられています。

蚊の媒介する感染症にはどんな種類があるのか、詳しくチェックしていきましょう!

蚊の媒介する感染症の種類

ではここからは、蚊を媒介とする感染症の中でも特に気をつけたい感染症について説明したいと思います。

各感染症の詳細をもっと知りたいという場合は、国立感染症研究所厚生労働省(感染症情報)などのサイトをご覧下さい。

デング熱

デング熱は聞いたことがある人も多いのではないでしょうか

。2014年には日本でも続々と感染事例が報告され、一定区域を封鎖して薬剤の散布を行うなど、大々的なニュースとなりました。

急な発熱で発症し、その他頭痛、関節痛、吐き気、発疹などの症状が見られます。通常2~7日で熱は下がっていきますが、治療が遅れ重症化すると“デング出血熱”や“デングショック症候群”になる場合もあります。

デング出血熱

血を止めるための血小板が減るため、鼻血、吐血、血尿などの出血が見られます。また肝臓の機能に影響を及ぼす場合も…。2016年には、海外で感染し日本に帰国した後死亡したという事例も報告されています。

デングショック症候群

デング出血熱のような出血に加え、ショック症状が見られます。興奮状態や発汗、血圧の低下などの重い症状が2~3日続きます。

デング熱に対するワクチンや薬剤は今のところありません。症状が見られた場合、解熱剤や鎮痛剤などによって治療が行われます。

日本脳炎

日本脳炎も聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?

豚などの動物の体内に存在する日本脳炎ウイルスによって発症する病気で、感染した動物を蚊が吸血し、その蚊が人を吸血することで感染します。

高熱、頭痛、嘔吐などの症状が見られ、重症化すると意識障害や痙攣などの麻痺症状が起こります。発症した場合の死亡率は20~40%と高く、生存者の45~70%にも脳の後遺症が残る恐ろしい病気です。

ただし、発症率は100~1000人に一人とかなり低く、ウイルスを持った蚊に刺されても症状がない人がほとんどだといいます。

日本脳炎の予防接種

日本脳炎は特に子供にかかりやすいとされています。発症率は低いものですが、万が一に備え、予防接種によって免疫をつけておくことをおすすめします。

3歳の時…2回(2回目は1回目より6~28日の期間を開けます)
4歳の時…1回
9~10歳の時…1回

これら計4回の接種が一般的な日本脳炎接種のスケジュールとなっています。

日本脳炎の予防接種について詳しく知りたい方は、厚生労働省や各自治体のサイトをご覧下さい。

日本脳炎(厚生労働省HP)

ジカウイルス

ジカウイルス熱も蚊に刺されることによって起こる感染症の一つです。

発熱、発疹、関節痛、筋肉痛、結膜炎などの症状が見られますが、どれも軽度のもので気づかない人も多いようです。主に中南米で多く報告されています。

このジカウイルスの恐ろしいところは、胎児に影響がある、ということ。妊娠中に感染した場合、胎児の脳の発達が遅れ、頭が異常に小さい“小頭症”などの先天性障害が見られる場合があります。厚生労働省でも、そして世界保健機構(WHO)でも、“妊婦は海外の流行地域に行くのを控えるべき”としています。

マラリア

マラリアの原虫を媒介する蚊によって引き起こされる感染症です。

アフリカ、ブラジル、アジアなど、熱帯・亜熱帯地域を中心に感染事例が多く報告されています。マラリアには“熱帯熱マラリア”“三日熱マラリア”“四日熱マラリア”“卵型マラリア”の4種類があり、主に発熱、頭痛、倦怠感、筋肉痛、関節痛、吐き気、腹痛などが見られます。

日本では流行していませんが、外国から帰省した後に発症する人がこれまでに約100人ほど確認されています。世界では年間3万人程度の輸入感染者が報告されており、外国に行く場合は十分に注意が必要な感染症です。

西ナイル(ウエストナイル)熱

西ナイル熱は日本ではあまり話題になりませんが、アフリカや中東、中央アジア、西アジアに加えて、アメリカやヨーロッパなど先進国にも広く分布する感染症です。

感染しても発症する割合が低い(20%程度)のが特徴ですが、発症すると39度を超える高熱、激しい頭痛、筋肉通が起こることがあります。患者さんの約半数の方が、体の一部に発疹が現れます。

黄熱

黄熱は野口英世氏の命を奪った感染症として有名です。

現在でも南アメリカやアフリカで猛威をふるっている感染症で、発症すると発熱、頭痛、吐き気、筋肉通、黄疸などの症状がでます。重症化↓場合の、致死率が高いため危険な感染症です。

黄熱にはとても効果が高く、安価で安全なワクチンがありますので、流行地域に行く際はワクチンをうつことで予防が可能です。

チクングニア熱

チクングニアとは、「痛みによってかがんで歩く」という「曲げた状態」を意味するアフリカの言語に由来しています。

主に中南米で流行している感染症です。デング熱と症状が似ており識別が難しいとされていますが、名前の通り関節痛による痛みが長く続く場合があるというのがチクングニア熱の特徴です。

まれに数ヵ月から数年痛みが続くケースもあります。

蚊媒介感染症にかからないための対策

では、蚊媒介感染症にかからないためにはどのような対策をしておくべきなのでしょうか?

ワクチン接種をする

ウイルスに対するワクチンがある場合は事前に接種しておきましょう。

特にアメリカ大陸などは、先進国であっても感染症が広がることがあるため、海外へ行く前には予防しておくことや、蚊対策を徹底することが大切です。

蚊除け対策をする

やはり蚊に刺されるのを阻止することが一番です。虫除けスプレーなどの蚊対策グッズを使う、露出の少ない服を着る、木陰や水辺など蚊が多い場所を避けるなど、蚊除け対策をしっかり行いましょう。

国や各自治体の最新情報をチェックしておく

国や各自治体では、毎年夏になると蚊を媒介とする感染症の詳細な情報を提供してくれています。これをチェックしておくことで、感染症についての現在の情報を知ることができます。

例えば、東京都では東京都感染症情報センターというサイトで感染症のハイリスク地点などをアナウンスしています。

発症したらすぐ病院へ

蚊を媒介とする感染症は、治療が遅れると命にかかわる危険性もあります。突然の発熱や発疹など、症状が現れた場合は速やかに病院を受診しましょう。

蚊対策を万全にして感染症を防ごう!

日本ではあまり流行していませんが、海外へと行く人が増えてきた今、感染が拡大していくことも十分考えられます。

蚊の活動が活発になる時期は、蚊対策を万全にして感染症を防いでいきましょう!